終局耐力を超える力を分担している構造計算は成立しているか?

『官庁施設の総合耐震診断・改修基準』(H08.10.24建設省営計発第101号)によって耐震診断を行った場合、耐震改修設計は、診断に使用した一貫構造計算プログラムを用いて、既存構造物に耐力壁やブレース等を追加する形で行われる。

 

増設された耐力壁やブレースの構造計算は、SuperBuild/SS3などの建築用一貫構造計算プログラムでは計算範囲外で別途計算を必要としている。

 そこで、別途計算した増設壁の耐力を直接入力して計算しないと、一貫計算は、一体打ちとして計算した耐力を用いて計算する。

増設壁の耐力は一体壁の耐力より小さいので、耐力壁が終局耐力を超えた値を保持しているものとして計算される。構造計算は、応力が許容応力以下であることを確認するものであるから、この状況では、条件を変えて再計算をおこなうことが当然と思うが、下水道事業団や設計コンサルは、再計算は不要としている。

不信の念が尽きない。