工事写真にはランドマークが必要

工事写真は、何のために撮っていると思いますか?

提出を求められているから、何となく撮っていませんか?

 

検査員は、現地で出来形と品質を直接確認できない部分について、

工事写真で確認しています。

検査員は、工事目的物が契約数量・品質を満足していることを

どうやって確認したか、第三者に合理的に説明でききなければなりません。

 

この時、提出された工事写真がどこで撮られたものか確認できないものであった時、

そんな写真で確認しました等と言うわけにはいかないので、

現地で埋戻し部分の出来形を確認するために掘ってくださいだとか、

コアを採取してくださいと求めることになります。

 

ここで、『工事写真の撮り方』に添付されているサンプル写真と同じように撮っているのに、何故いけないのかと度々苦情を言われます。

サンプル写真は、場所や施工者が特定できないように、ランドマークや個人を特定できるものをトリミングして掲載しています。

従って、サンプル写真と同じアングルで撮った場合、上記のように破壊検査が必要になります。

 

工事写真の条件としては、以下のようになります。

・ 何処で撮ったものか特定できること。現状では,マズイものを写さないことに重点を置きすぎて必要なものが写っていない。撮影場所を特定するために背景と測点・測線が必要。

・ 基本的に出来形写真は,隣の測点まで見通せる写真とする。私の勤務した自治体では、管の埋設工事では、出来形写真の場合,2枚の写真で挟まれる区間の形状・寸法及び仕上り状況を判読できる最大区間として20m,状況写真は,2枚の写真で挟まれる区間の施工状況を判読できる最大区間として50~60mを想定して、それ以下の撮影間隔になるように求めていた。。

・ 出来形写真は,スタッフの目盛を正しく読むことができるとともに,目盛の数値が正しく工事目的物の寸法を表していることが確認できるものとする。

 そのために,スタッフを添えた全体状況を確認できる写真と目盛に正対してアップを撮った写真がペアとすることが多い。

 しかし,全体写真でスタッフの0の位置が画面の外になっていたり,アップ写真で上から見下ろして撮っているため,角度がありすぎて目盛の数値が信用できないものが殆どという状況にある。

 

工事写真は、目的ごとに次の3種類に分類される。

 

状況写真:仕様書の規定を満足する施工計画に従った作業工程が遵守されていることを確認できる写真

出来形写真:設計図に示された寸法が確保されているか,仕上り状態が満足すべき状態になっているかの確認できる写真

その他の写真:法令等に従って施工されたことを証する写真