『鉄筋のかぶり』とは

『鉄筋のかぶり』とは、「RC部材の面から鉄筋までの最短距離」を指す。

 

建築基準法施行令第79条に鉄筋のかぶり厚さは次のように規定されている。

鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあっては2cm以上、耐力壁、柱又は梁にあっては3cm以上、直接土に接する壁、柱、床若しくは梁又は布基礎の立上り部分にあっては4cm以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨コンクリートの部分を除いて6cm以上としなければならない。

 

建築学会は、施工誤差を考慮して施行令の値に1cmを加えた値を推奨している。

 

ところで、建物の劣化診断で中性化深さの調査を依頼した時に、殆どの管理棟やポンプ棟の2、3階の柱や壁でも『鉄筋のかぶり』が60~70mmで報告されている。

しかし、施行令の値から考えて、『鉄筋のかぶり』は30~40mmで報告されることが多くなるはずで、60~70mmは『主鉄筋の位置』と混同されていることが懸念される。

㈱構造ソフトの構造計算ソフト「BUILD.3SⅡ」では、『主鉄筋の位置』を『鉄筋のかぶり』と呼んでいるし、建築一貫計算ソフトの中では、同じ数値を『主鉄筋の位置』と『鉄筋のかぶり』の2通りで呼称する「表現の揺らぎ」を持つものもあり、『鉄筋のかぶり』の意味を現地調査者が間違えている可能性が高い。

 

調査報告書に添付されている調査写真では、削孔痕を大写しにしているだけで、スケールも当てていないし、どこで撮られたかも不明のものが殆どで、写真から判別できないので、設計業者に『鉄筋のかぶり』として調査業者が、『主鉄筋の位置』と『鉄筋のかぶ

『鉄筋のかぶり』とは、「RC部材の面から鉄筋までの最短距離」を指す。

 

建築基準法施行令第79条に鉄筋のかぶり厚さは次のように規定されている。

鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあっては2cm以上、耐力壁、柱又は梁にあっては3cm以上、直接土に接する壁、柱、床若しくは梁又は布基礎の立上り部分にあっては4cm以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨コンクリートの部分を除いて6cm以上としなければならない。

建築学会は、施工誤差を考慮して施行令の値に1cmを加えた値を推奨している。

 

ところで、建物の劣化診断で中性化深さの調査を依頼した時に、殆どの管理棟やポンプ棟の2、3階の柱や壁でも『鉄筋のかぶり』が60~70mmで報告されている。

しかし、施行令の値から考えて、『鉄筋のかぶり』は30~40mmで報告されることが多くなるはずで、60~70mmは『主鉄筋の位置』と混同されていることが懸念される。

㈱構造ソフトの構造計算ソフト「BUILD.3SⅡ」では、『主鉄筋の位置』を『鉄筋のかぶり』と呼んでいるし、建築一貫計算ソフトの中では、同じ数値を『主鉄筋の位置』と『鉄筋のかぶり』の2通りで呼称する「表現の揺らぎ」を持つものもあり、『鉄筋のかぶり』の意味を現地調査者が間違えている可能性が高い。

 

調査報告書に添付されている調査写真では、削孔痕を大写しにしているだけで、スケールも当てていないし、どこで撮られたかも不明のものが殆どで、写真から判別できないので、設計業者に『鉄筋のかぶり』として調査業者が、『主鉄筋の位置』と『鉄筋のかぶり』のどちらを測定したか確認するように求めたが、全ての業者に拒否された。

 

下水道の処理場や排水機場は、臨海部に設置するため、建設後20~30年程度でも、中性化深さが30~40mmを示しているが、コンサルの判断は、『鉄筋のかぶり』が60~70mmあることを前提にして、健康部分が十分あるので、対策は必要ないとしているが、『鉄筋のかぶり』が30~40mmであれば、早急に対策が必要となる。

発注者・設計業者・調査業者・施工業者が、異なる意味で同じ用語を使用する状態を憂う。